淫羊霍(インヨウカク)とは?
淫羊霍(インヨウカク)は古くから強精、催淫に使用される植物の代表的なひとつ。
雄の羊がこれを食すと1日に百回交配するという逸話からこの名前が付けられました。
昔、中国の四川省北部ではたくさんの羊が放牧され、そこの雄羊は1日に百回も交尾すると言われていました。なぜそんなに精力的なのか、疑問に思った村人が調べたところ、その地方にはカク(ホザキノイカリソウ)という草がたくさん生えており、その草を羊が食べることで精力絶倫になっていたとのことです。
ここから、精力絶倫の雄羊を「淫羊」と呼び、薬草の「カク」とあわせてホザキノイカリソウの漢名(生薬名)を『淫羊霍(インヨウカク)』という名前にしたと、李時珍の本草綱目に記されています。
日本では錨草(イカリソウ)の呼び名で知られているメギ科の多年草で、花のカタチが船のイカリに似ていることから、この名がつけられたとされています。
生薬の淫羊霍(インヨウカク)は、数あるイカリソウの中でもホザキノイカリソウが正品とされ、江戸時代には日本には渡来し、全国の薬草園などで栽培されてきた歴史があります。
しかし、日本では生薬採取を目的にした栽培生産はなく、野生のイカリソウを滋養強壮に効く薬草として、家庭薬や薬酒など、主に民間的に用いられてきたと言われています。
淫羊霍(インヨウカク)の主な働き
利尿作用 補精作用 強壮作用など