喫煙と動脈硬化
たばこの煙にはニコチン、CO(一酸化炭素)、そしてタールなどが含まれています。ニコチンは交感神経系を刺激し、心拍数の増加や、末梢血管の収縮、血圧上昇などを招きます。
又、中枢神経系に作用し、たばこ依存性を作ります。COは赤血球と結び付き、体内への酸素の取り込みを低下させます。そしてタールには発がん性物質が含まれています。
その他に最近重要視されるようになったのが、喫煙によって体内に増えるフリーラジカルです。フリーラジカルは動脈硬化の促進など、循環器病に大きく関わっている事がわかってきたためです。
喫煙により血液中に増えたフリーラジカルは血管の内壁にある内皮細胞を傷付け、その傷口に血液中を流れている悪玉コレステロールが入り込んでいきます。血管はフリーラジカルによって酸化され、悪玉コレステロールはどんどん取り込まれ、次第に厚いコレステロール層となります。その結果、血管内を狭めていき動脈硬化となります。
この他、喫煙は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすので、高血圧、心不全などの循環器病全体に悪影響をもたらし、又女性に対しては、閉経時期を早めるとも言われています。
活性酸素による影響は、五臓の機能低下及びバランスが崩れている時(自然治癒力が低下)特に大きいと言われています。
喫煙は肺がんの危険因子であることはよく知られてますが、同様に循環器病の危険因子である事もぜひ知っていただきたい事です。
フリーラジカルとは、不安定で反応性の高い原子や分子の事をいい、もっとも身近なものとして、活性酸素があげられます。
活性酸素の発生源として喫煙以外にも紫外線、電磁波、ストレス等があります。