人参(ニンジン)とは?
ニンジンとは野菜の赤いニンジンのことではありません。朝鮮人参や高麗人参とも呼ばれ、古くから不老長寿の妙薬として珍重されてきました。根のかたちが人に似ていることから人参と呼ばれ、高貴薬・強壮薬の代名詞にもなっています。
生薬の人参は、ウゴキ科オタネニンジンの根を乾燥させたもので、掘り取った時には真っ白です。多年草の一種で草丈は約60cm。4、5月頃には淡黄緑色の小さな花を咲かせます。7月下旬頃には果実は熟し、こちらは鮮やかな紅色に育ちます。
細根や皮を除いて蒸して乾燥した根を「紅参」、乾燥させた根を「白参」といい、調製法によって分けられています。
古書ではニンジンについて、「五臓を補い精神を安らかにし、魂魄(こんぱく)を定めて驚悸を止め、邪気を払い、目を明らかにして心を開き智を益す。長く服用すれば身を軽くし寿命が延びる」と記載されています。漢方の中では、最要薬の一つに数えられます。
アルコールとの相性もよく、人参酒は病気予防や疲労回復に日本や韓国において古くから愛用されてきた歴史があります。
人参(ニンジン)の主な働き
強壮強精作用、消化促進作用、精神安定作用、血糖降下作用 など