熊胆(ユウタン)
熊胆(ユウタン)は、熊の胆汁(胆嚢)を乾燥させた生薬のこと。
熊の胆(くまのい)とも言います。
熊胆(ユウタン)は家庭薬原料の高貴薬として知られ、熊の薬用については『神農本草経』の上品に「熊脂」として記載されているのが最初です。「熊肝」としての最初の記載は唐代の『新修本草』で、中国では古来伝来性の熱病による黄疸、暑気の長期にわたる下痢などの治療に用いられてきました。昨今の中医学では清熱薬に分類されています。
国内でも古くからニホンツキノワグマやヒグマなどを由来とする国産品は利用され、江戸時代初期に「クマノイ」として頻繁に使用されるようになり、特に配置薬製剤には欠かせないものになっています。
熊胆(ユウタン)は不透明黒色の硬い塊であり、その多くは卵球形です。独特の香気があり、味はきわめて苦いという特質を持っています。粗悪品の場合は魚臭い臭気があります。
熊胆(ユウタン)の主な働き
胆汁分分泌促進 利尿、鎮痙作用 など